2010年03月17日
たかが珈琲、されど珈琲。

老舗珈琲館で、修行していた頃(独立前)のお話。(約10年前)
老舗の厳しさを、1ヶ月目で味わった。( しかも、私は、ほんの数ヶ月で全部教えてもらう、世間を馬鹿にした甘い考えでいた)
なぜ、1ヶ月かというと、ホールに出る許可がおりなかったから。
老舗で、ひよっこが、カウンターで珈琲をいれるなんて、もってのほかだということも、ひしひしとわかった。
カウンターにすら2年くらい入れなかった。
ホールは、1ヵ月後、やっと、許可が出て、お冷をお出しする。
老舗だから、お客の90%は30年以上365日通う常連で、鹿児島の事業者のびっくりするような、トップにあたる方達が、普通にいらっしゃる店だった。525円の珈琲を飲む為に、指宿からタクシーで来られるような方達だ。
一番びっくりしたのは、俳優の高倉健が来られた時だったが、このときはサスガに、スタッフも知ってるのは一部で、実際の接客は社長自らだった。
毎朝9時から、鹿児島の社交場と化していた。
新聞よりも、早く鹿児島のニュースをキャッチ出来る珈琲館だった。
もう、あんな店、あの社長でないと、二度と鹿児島に出来ないだろう。
・・・で、やっと、ホールに出ることが出来た私。
・・・・
・・・・
・・・・
常連さんが、挨拶以外、いきなり、事業や政治の話をお仲間とはじめるので、スタッフと喋らない 。
注文もしない 。
ひゃぁぁ~~~~

そうなんです。彼ら鹿児島戦士のトップは、もう30年以上も通ってるので、注文すらする暇がないのでしょう。
座る位置も、来られる時間も、珈琲もブラックなのか、砂糖ミルク入れるのか、カップを置く位置、好みのカップまで、決まっていた。
中には、30万もするカップもあり、あれは、洗いたくなかった。
何度も、30万のカップを割ってしまう夢も見た。
それを全部覚えるのが、最初はキツカッタ。
だって、似たような顔って、結構あって。人間違いも最初はよくやった。
でも、覚えた頃は、喋らないのが、楽になった。
会話が無くても、年数がたつと、会議の途中でメモを渡すタイミング、時のニュースなどで、どうしてもはちあわせてはいけないお客様同志(警察と土木業者など)を、あっちとこっちに両方に気が付かれないようにお席を導いたり、若しくは、状況を小声で伝え、お客様の方が時間をずらしてご来店くださったりしながら、常連さんが、スタッフを認めはじめ、心が通じていった。
常連さんは、お客さんでありながら、自分達の店を守っているスタッフがちゃんとやっているか、逐一社長に報告するものだから、社長は、ある意味安心して外出も出来た。
今もそうだけど、男性のお客さまは、一度「ここの店」と決めると、ずーーと通ってくれる。その点、女性は新しいもの、お洒落なものに、集団移動のように移動していく。これは、店をやってる人にしかわからないかも。。。
男性が求めているものは、珈琲なのか、居心地のいい空気なのか。。。
なぜ、ホールを徹底させたのか、独立した今になって社長の思いもわかってくる。
「味のみを追求する学問(理想)と、 経営という実践(現実)では、大きなギャップがあるということ。」
「表面の華やかさと違って、実践(理想)と体力(現実)も、大きなギャップがあるということ。」
このことを、年数をかけて、身体で覚えさせたかった。学問や理想でなく、身体で覚えないと出来ないことを
しっかりと教えたかったのだろう。
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カフェの始まりは、イギリスで、ペニー・ユニバーシティと呼ばれて、
1ぺ二払えば、大学並みの知識を入手できる場所というのが、カフェの目的の始まりでした。
あの老舗珈琲店で言えば、525円で、様々な情報を仕入れたり、シェフは上客の予約を取れたり、
事業の悩みを相談出来たり・・・な場所だったんです。
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Posted by 明日の地図 at 13:32│Comments(0)
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